私は医療機器メーカーで、開発と品質管理の仕事を10年以上しています。機器に不具合が出た時には、医療の現場に伺って、直接お話を聞いてきました。
機器とシステムの間のデータの連携が止まる。それだけで、診察ができなくなる。そういう現場を見てきました。パソコンがコンピュータウイルスに感染して使えなくなり、診察から会計までを手作業で何とか乗り切った、という話も聞きました。
医療の情報は、一部が止まるだけで、患者さんの状態が見えなくなり、診療が止まります。いますぐ助けなければならない命を、助けられなくなることさえあります。そのうえで、これからの少子高齢化の中で、現場の人手はさらに足りなくなると言われています。それなのに、記録や報告書などの書類に、毎日多くの時間が取られています。
AIを使うと、その時間を減らせることがあります。けれど現場では「患者さんの情報を入れてよいのか分からない」という理由で、止まっている所が多くあります。
品質管理は、間違いが起きない仕組みを作る仕事です。まずいことが起きる所を先に洗い出し、順に手を打ち、記録を残します。この考え方は、AIを安全に使う場面でそのまま役に立ちます。
医療と介護は、命を預かる、とても大事なインフラです。高い品質を保ったまま、このインフラを守る側に、私の力で回りたい。そう考えて、この仕事をしています。
MigakiWorks 松下 幸平